はじめに
食器は、毎日の食事をより楽しく、美味しくするための重要なアイテムです。ただ、いざ揃えようと思うと、どれから手をつけたらいいのか、どのくらいの量が必要なのか迷ってしまうこともあるでしょう。この記事では、食器選びの基本から、家族構成や用途に合わせた揃え方のコツ、さらにプロのアドバイスも取り入れながら、初心者でもわかりやすく食器の揃え方を解説します。自分にぴったりの食器を揃えるためのガイドとして、ぜひ参考にしてください。
食器選びの重要性
日常的に使う食器は、食事の雰囲気や楽しさを大きく左右します。適切な食器を選ぶことで、料理の魅力を引き立てるだけでなく、食卓をより華やかに、心地よい空間にすることができます。また、実用的な面からも、使い勝手やメンテナンスのしやすさが重要です。デザインだけでなく、日常生活に寄り添う機能性のある食器選びが、食卓の充実感を生み出します。
1. 食器の基本セットを知ろう
食器を揃える際に、まず押さえておきたいのが「基本セット」です。洋食器と和食器では、その内容や使い方が異なるため、それぞれの基本セットについて理解しておくことが大切です。
1.1 洋食器の基本セット

洋食器の基本セットは、日常的な食卓で使いやすいアイテムを中心に揃えることがポイントです。以下のアイテムを基準に揃えていきましょう。
- ディナー皿
メインディッシュを盛り付けるための大きめの皿です。和洋を問わず使えるデザインを選べば、使い勝手が広がります。直径約25cm以上のものが一般的です。 - サラダ皿
サラダや前菜、デザートに適した中サイズのお皿で、直径20cm前後が理想的な形です。シンプルで薄いものを選ぶと、食卓を華やかにしながらも収納もしやすいというメリットがあります。 - カップ&ソーサー
飲み物用のカップと、それに合わせたソーサー(受け皿)のセットです。紅茶やコーヒーを楽しむために欠かせないアイテムで、シンプルなデザインなら和洋問わず使えます。
1.2 和食器の基本セット

和食器は、伝統的な食文化に合わせたアイテムが特徴です。毎日の食卓で役立つアイテムを中心に揃えるとよいでしょう。
- 飯碗(めしわん)
ご飯を盛るための器で、家族の人数分必須です。サイズやデザインは個々の好みで選ぶことが多いですが、適度な厚みと持ちやすさがポイントです。 - 汁椀(しるわん)
味噌汁やスープを盛るための椀です。漆や木製のものが一般的ですが、最近では陶器や樹脂製も人気です。保温性や手触りの良さが選ぶ際のポイントです。 - 副々菜用食器
少量の副菜を盛る小鉢。和食の食卓において、箸休めや漬物などを盛るために使われます。小ぶりで、収納スペースを取らない形状が理想です。 - 副菜用食器
サラダや煮物などを盛る中型の器です。深さのあるデザインを選べば、汁気のある料理にも対応できます。 - 主菜用食器
メインディッシュを盛り付けるための大皿です。シンプルなデザインのものを選ぶと、和洋どちらの料理にも使えます。
2. 食器の揃え方のコツ

ここでは、実際にどのように食器を揃えていけばよいのか、そのコツを紹介します。家族構成や用途に合わせて揃えることで、無駄なく、実用的なセットを完成させることができます。
2.1 家族構成に合わせた揃え方
単身世帯の場合
単身者の場合、必要最小限の食器セットがあれば十分です。ディナー皿、サラダ皿、飯碗、汁椀など、それぞれ1〜2枚揃えるとよいでしょう。シンプルなデザインを選ぶことで、どんな料理にも対応でき、スペースも取らずに済みます。
- 飯碗・汁椀:各1個
- 中皿:2〜3枚
- 小皿・小鉢:各2〜3個
- マグカップ:1〜2個
- ボウル:2〜3個(サイズ違い)
単身者の場合、来客用の食器も最小限に抑えることができます。2人分程度の食器があれば、友人を招いた際にも対応できるでしょう。
夫婦二人暮らしの場合
二人暮らしでは、基本的なセットに加えて、色違いで食器を揃えるのがおすすめです。例えば、ディナー皿やサラダ皿を2色ずつ揃えると、食卓に彩りが生まれます。また、料理のスタイルに応じて洋食器と和食器をバランスよく取り入れることで、食事の幅が広がります。
- 飯碗・汁椀:各2個(予備に1〜2個)
- 中皿・大皿:各2〜4枚
- 小皿・小鉢:各4〜6個
- カップ&ソーサー:2セット(来客用に追加2セット)
- ボウル:4〜6個(サイズ違い)
子育て世帯の場合
子供がいる家庭では、食器の枚数が増えるため、揃え方にも工夫が必要です。割れにくく、耐久性の高い素材を選ぶことが重要です。また、子供用の小さな食器も揃えると、家族全員が快適に食事を楽しめます。
- 飯碗・汁椀:家族の人数分+予備1〜2個
- 中皿・大皿:6〜8枚
- 小皿・小鉢:8〜10個
- カップ:家族の人数分+来客用2〜3個
- ボウル:6〜8個(サイズ違い)
- 子供用食器セット:子供の人数分
子育て世帯の場合、破損や紛失のリスクも高くなるため、耐久性のある素材を選んだり、予備の食器を多めに用意したりするのがよいでしょう。また、子供の成長に合わせて食器のサイズや種類を変更していく必要があります。
2.2 用途別の揃え方
朝食用セット
朝食用には、軽食に適した小さめの皿やカップを揃えると便利です。パン皿やサラダ皿、そしてカップ&ソーサーがあれば、毎朝の食事が楽しくなります。
- プレート(中サイズ):トースト、卵料理、サラダなどを盛り付け
- ボウル(小〜中サイズ):シリアルやフルーツ、ヨーグルトなどに
- マグカップまたはコーヒーカップ&ソーサー:飲み物用
- 小皿:ジャムやバターなどの添え物用
朝食用セットは、洗い物の手間を考慮して、できるだけ少ない点数で済むよう工夫しましょう。
普段の食事用セット
日常的な食事には、ディナー皿、サラダ皿、飯碗、汁椀などの基本的なセットがあれば十分です。シンプルなデザインのものを選ぶことで、和洋どちらの料理にも対応可能です。
- 飯碗・汁椀:和食の基本
- 中皿:メインディッシュ用
- 小皿・小鉢:副菜用
- ボウル(中サイズ):サラダやパスタなど多用途に
- グラス:水やお茶用
普段使いの食器は、耐久性と使いやすさを重視して選びましょう。また、食洗機対応のものを選ぶと、日々の家事の負担を軽減できます。
おもてなし用セット
ゲストを迎える際には、少し豪華な食器を用意しましょう。ディナー皿やサラダ皿を多めに揃えるほか、特別感のあるデザインを取り入れることで、食卓が一層華やかになります。
- ディナー皿:メインディッシュ用
- サラダ皿:前菜やサラダ用
- スープボウル:スープやパスタ用
- デザート皿:デザート用
- ワイングラス:赤・白ワイン用
- カップ&ソーサー:コーヒーや紅茶用
おもてなし用の食器は、デザイン性や高級感を重視して選びましょう。ただし、使用頻度が低いため、収納スペースを考慮して必要最小限の数に抑えるのがポイントです。
2.3 サイズバリエーションの重要性
プレートの大中小
プレートは、さまざまな料理に対応できるよう、大中小のサイズで揃えると便利です。特に、大皿はパーティー料理やシェアメニューに使えるため、1枚は持っておくとよいでしょう。
ボールの大中小
ボール(鉢)も、プレート同様に大中小サイズを揃えておくことが便利です。小さいボールは漬物やフルーツなどの小分けに、中サイズはサラダや副菜に、大サイズは煮物やスープ、またはパーティー用のメイン料理の盛り付けに適しています。さまざまな料理に使えるため、用途に応じて選べるバリエーションがあれば、食卓をより効率的に演出できます。
3. 食器選びのポイント

食器選びでは、デザインや見た目だけでなく、実際に使う際の「使い勝手」や「汎用性」も重要です。ここでは、選び方の具体的なポイントを紹介します。
3.1 使い勝手を重視する
洗いやすさ
毎日の食事後に食器を洗うことを考えると、洗いやすいデザインの食器を選ぶことが大切です。形状が複雑すぎたり、装飾が多いと洗浄が面倒になるため、シンプルで表面が滑らかなものを選びましょう。また、食洗機対応の食器も便利です。
収納のしやすさ
食器は収納スペースを圧迫しやすいものです。スタッキングしやすい形状のプレートやボウルを選ぶことで、効率よく収納でき、キッチンの整理整頓も楽になります。また、必要以上に大きな食器は避け、実際の収納スペースに収まるサイズを考慮しましょう。
耐久性
食器は長く使うものなので、耐久性も重要です。割れやすい薄手のものよりも、適度な厚みがあり、丈夫な素材を選ぶことで、長期間使用できます。特に、小さな子供がいる家庭では、割れにくい強化ガラスやメラミン製の食器も検討する価値があります。
3.2 汎用性のある食器を選ぶ
シンプルなデザイン
どのような料理にも合う、シンプルなデザインの食器は非常に重宝します。無地やワンカラーのプレートやボウルは、和洋問わずさまざまな料理に対応できるため、汎用性が高いです。また、シンプルなデザインは、食卓の他の要素とも調和しやすいので、インテリアにも馴染みます。
- 無地や単色:装飾が少ないシンプルなデザインは、様々な料理に合わせやすく、長く使えます。
- ベーシックな形状:円形や四角形など、基本的な形状の食器は多くの料理に対応できます。
- 中庸なサイズ:極端に大きすぎたり小さすぎたりしない、中庸なサイズの食器を選びましょう。
和洋両用可能な食器
和食にも洋食にも使えるデザインの食器は、限られた枚数で多様な使い方ができるため、非常に便利です。例えば、白やベージュ、グレーなどの中立的なカラーのプレートやボウルは、どちらの料理にもマッチしやすいです。サイズや形状も汎用性のあるものを選びましょう。
- 深さのある皿:浅すぎず深すぎない皿は、和食の煮物から洋食のパスタまで幅広く使えます。
- 多目的ボウル:サラダや麺類、丼ものなど、様々な料理に使える多目的ボウルは重宝します。
- ニュートラルなデザイン:和風すぎず洋風すぎないデザインを選ぶことで、様々な料理に合わせやすくなります。
3.3 色や柄の選び方
基本的な色の組み合わせ
食器の色は、料理を引き立てる役割を持っています。基本的に、白やベージュ、淡いグレーなどの中立的なカラーがどの料理にも合いやすく、飽きが来にくい選択です。また、シンプルなデザインで統一すると、全体的なバランスが取りやすく、食卓が洗練された印象になります。
- ホワイト:最も汎用性が高く、料理を引き立てる色です。他の色とも組み合わせやすいです。
- ベージュ・グレー:落ち着いた雰囲気を演出し、和洋どちらの料理にも合います。
- ブラック:モダンな印象を与え、料理の色を引き立てます。ただし、使いすぎると重たい印象になるので注意が必要です。
色の組み合わせ例:
- ホワイト+ベージュ:優しい雰囲気の食卓に
- ホワイト+ブラック:モダンでシックな食卓に
- ベージュ+グレー:落ち着いた大人の食卓に
季節感を出す柄選び
季節ごとの食卓を楽しむために、時折柄物の食器を取り入れるのもおすすめです。春には桜や花柄、秋には紅葉や落ち葉のデザインなど、季節感を意識した食器を加えることで、四季折々の雰囲気を楽しむことができます。ただし、全て柄物にするのではなく、無地の食器とバランスよく組み合わせるのがコツです。
4. 食器の揃え方のステップアップ

ここでは、基本的なセットから始めて、徐々に食器のコレクションを充実させていくためのステップアップの方法を紹介します。
4.1 基本セットから始める
まずは日常生活に必要不可欠な基本セットから始めましょう。これらは頻繁に使用するものなので、耐久性と使いやすさを重視して選びます。
最初に揃えるべき必須アイテム
- 飯碗(茶碗):1人1個+予備1個
- 汁椀:1人1個+予備1個
- 中皿(20cm前後):1人2枚+予備2枚
- 小皿(15cm前後):1人2枚+予備2枚
- 小鉢:1人2個+予備2個
- マルチボウル(サラダやパスタ用):1人1個+予備1個
- グラス:1人2個+予備2個
- マグカップ:1人1個+予備1個
これらの基本アイテムがあれば、日常の食事のほとんどをカバーできます。
2枚ずつ、色違いで揃える方法
基本セットを揃える際は、同じアイテムを2枚ずつ、色違いで揃えるのがおすすめです。この方法には以下のメリットがあります:
- バリエーションが増える:食卓に変化をつけやすくなります。
- 使い分けができる:来客用と普段使い用に分けられます。
- 破損時の安心感:1枚が破損しても、すぐに代替品を用意する必要がありません。
例えば、中皿を4枚揃える場合、白2枚とベージュ2枚というように色を分けて購入します。これにより、気分や料理に合わせて使い分けることができます。
4.2 徐々に拡張していく
基本セットが揃ったら、次は用途別に食器を追加していきます。生活スタイルや好みに合わせて、少しずつコレクションを拡大していきましょう。
用途別に追加していく食器
- 朝食用:
- シリアルボウル
- エッグカップ
- トーストプレート
- ティータイム用:
- ティーカップ&ソーサー
- ケーキ皿
- ティーポット
- パーティー用:
- 大皿(オードブル用)
- フィンガーフード用小皿
- ワイングラス
- 和食専用:
- 長角皿(刺身や焼き魚用)
- 蓋付き椀(茶碗蒸し用)
- 酒器セット
これらの食器は、使用頻度や収納スペースを考慮しながら、徐々に追加していきます。
特別な日用の食器の選び方
特別な日(誕生日、記念日など)に使用する食器は、普段使いの食器とは別に用意すると良いでしょう。以下のポイントを参考に選んでください:
- デザイン性:普段使いよりも装飾的なデザインを選んでも良いでしょう。
- 素材:ボーンチャイナなど、高級感のある素材を選びます。
- セット感:同じシリーズで揃えることで、統一感のある食卓を演出できます。
- 用途:フルコースディナーに対応できるよう、前菜皿、スープボウル、メイン皿、デザート皿などをセットで用意します。
特別な日用の食器は、使用頻度が低いため、収納スペースと予算を考慮しながら、必要最小限のセットを選びましょう。
4.3 自分らしさを出す食器選び
食器コレクションに自分らしさを反映させることで、より愛着のわく食卓を演出できます。ここでは、個性的な食器選びのポイントをご紹介します。
好みのブランドや作家もの
有名ブランドや陶芸作家の作品を取り入れることで、食卓に特別な魅力を加えることができます。
- 有名ブランド:ウェッジウッド、ロイヤルコペンハーゲン、エルメスなどの老舗ブランドは、クラシックな美しさと高い品質で知られています。
- 現代陶芸作家:個性的なデザインや手作りの温かみを求める場合は、現代の陶芸作家の作品を選ぶのも良いでしょう。
ただし、高価な食器は日常使いには向かない場合もあるので、使用頻度と取り扱いの難易度を考慮して選びましょう。
アンティーク食器の取り入れ方
アンティーク食器を取り入れることで、食卓に独特の雰囲気と深みを加えることができます。
- ミックス&マッチ:現代の食器とアンティーク食器を組み合わせることで、個性的でスタイリッシュな食卓を演出できます。
- ポイント使い:全てをアンティークにするのではなく、1〜2点をアクセントとして使用するのがおすすめです。
- コレクションの楽しみ:アンティーク食器収集自体を趣味として楽しむこともできます。
アンティーク食器を選ぶ際は、状態や使用可能かどうかを十分に確認し、適切なケアの方法も学んでおきましょう。
自分らしい食器選びは、時間をかけて少しずつ行うのが理想的です。日々の生活の中で、自分の好みや必要性を見極めながら、徐々にコレクションを育てていきましょう。そうすることで、より愛着のわく、自分だけの特別な食器コレクションが完成していきます。
まとめ
食器揃えの基本は、家族構成やライフスタイルに合わせて必要なものを少しずつ揃えていくことです。まずは、基本セットをしっかり揃え、その後は使う場面や好みに応じて追加していきましょう。営業部長のアドバイスにもあったように、2枚ずつ、色違いで揃える方法や、大中小のサイズバリエーションを意識して選ぶことで、無駄なく効率的な食器揃えが実現できます。
食器選びは、毎日の食事を彩る大切なプロセスです。楽しみながら、自分らしい食器コレクションを作り上げてください。